私がかつて家庭教師のアルバイトをしていたときに、愛用していた一冊です。
数学の苦手な子に数学を教えるというのは、大変な苦労を伴いました。
まして私は、文系です。
数学は理系の先生が教えれば良いと思うのですが、家庭教師のト○イも人手不足だったらしく、どうしても担任して欲しいということでした。
引き受けたは良いものの、当の子は、受験間近の中学3年生。
時期は、もう11月。
受験まで、もう間がありません

本人と親御さんの希望は、とある私立中学一本。
そこを専願で受験するとのこと。
専願ですから、落ちれば後がない。
そんな中、秋口の模試で、数学の偏差値37を取ったから、さぁ大変

希望する私立高校(女子高)は、偏差値57くらい必要なところ。
数学がヤバイ

当然、家庭教師側の負担は大きいわけですから、みんな敬遠しました。
結局、私くらいしか受ける人がいないということで、私が担当することになりました。
当の子は、図形と文章題が大の苦手。
しかし、計算力は十分ありました。
早いし、正確です。
私が思うに、計算力のある子は、必ず伸びます。
一時的に苦手科目があったとしても、それはやり方が悪いだけで、正しい方法で指導すれば、間違いなく伸びます。
ITが進歩し、全てがオートメーション化される現代に、計算力なんてアナログなことと笑われそうですが、
家庭教師としていろいろなお子さんを見て思うことです。
計算力こそが、多くの学力の基礎につながっているような気がします。
実は、この子の志望する高校は、数学の過去問で図形と文章題がメインの出題傾向。
本人は、図形・文章題が大のつくほど苦手。
当然、家庭教師の私に期待するのは、図形問題と文章題の攻略法です。
それも、残り2〜3ヶ月後の試験に間に合わせるようにです。
しかし、私は、まず徹底的に計算問題をさせました。
計算力を鍛えることこそが、遠回りに見えて、最も確実な基礎力を養成することになると信じていたからです。
最初は、本人も親御さんも当惑していました。
計算は得意だと本人も思っているだけに、何故それを今さらやるのか分からない、時間が無いと焦っていましたから。
しかし、中学生の勉強というのは、2〜3ヶ月もあれば、実は十分なのです。
やり方さえ開眼すれば、1週間でも、驚くくらい成績が伸びることがあります。
要は、本人の中で基礎力が醸成されることこそが大切なのです。
小手先のテクニックというのは、長い目で見て損です。
未熟な時を過ごす時間が短くなり過ぎるからです。
未熟なときに、どれだけの基礎力をつけられるかが大切なのだと思います。
基礎力というのは、未熟な間にしか付けられません。
実は、受験勉強など、テクニックだけで十分乗り切れます。
我々家庭教師は、そのテクニックを身に付けさせるために存在しているといっても過言ではありません。
時間あたりで、相当な費用を親御さんは支払うわけですから、当然のことです。
語っているうちに、話が脱線して来ました

ただの書評で終わるつもりが

教育論は語りだすと止まらないので、またの機会に。
肝心の、その数学が苦手だった子の結末ですが、
無事、志望校に合格しました

私が担当した数学は、
偏差値が37から、
12月の模試の結果は、62にまで伸びました

2カ月足らずで、偏差値25アップです。
数字だけ見れば、驚異的かも知れませんが、私からすれば何の不思議もありません。
計算力さえあれば、偏差値60くらいまでは、すぐにでも伸ばせます。
伸びて当然なのです。
昔の人も言ったではありませんか、「読み書きそろばん」と

なかなか含蓄の深い言葉だと実感すること、しばしです。
タグ:中学数学
スポンサーリンク
あなたに合格が訪れますように


いつも応援ありがとうございます
